フコイダンとは海藻類に含まれるヌルヌル成分です。化学的には、「硫酸化フコース」という糖を主体とした高分子多糖類の仲間です。特に、褐藻やモズク、メカブ(ワカメの茎と根の部分)と昆布に多く含まれています。

近年の研究において、この「多糖類」は、人間の健康に役立つことが分かってきました。1996年の「第55回日本癌学会総会」において、フコイダンの健康に対する特別な働き、アポトーシスを誘発する作用があることが発表されて以来、研究に拍車がかかりました。

フコイダンの働きは、医学的にはナチュラルキラー細胞を活発化させるとともに、マクロファージ、T-細胞、B-細胞といった免疫細胞を活発化させるということが分かっています。悪性細胞が縮小、消滅するのは、フコイダンによる免疫力の強化と、悪性細胞に直接攻撃 (アポトーシス)* を誘発させることによるものと考えられます。


沖縄 長寿の秘密

海は地球上のあらゆる生物の源です。

沖縄は長寿の島として知られています。そして沖縄の海藻(モズク、メカブ等)にはフコイダン(ヌルヌルの天然成分)が豊富に含まれています。これは健康に気を遣っている沖縄の人々の公然の秘密なのです。

また、沖縄は死亡原因に占める癌の割合が日本で最も低い県としても知られています。 その理由の一つとして、沖縄独特の食習慣が挙げられます。沖縄において最も重要な食材はさまざまな海藻類(昆布、モズク、メカブ等)なのです。昆布は通常、北海道などの北の寒い海で育ちます。この昆布が、沖縄において伝統的な食材の一つとして根付いたのには理由があります。

江戸時代後期(19世紀初頭)、薩摩藩(現在の鹿児島県)は昆布を中国の清朝に輸出していました。沖縄はその昆布輸出の中継地だったのです。そのため沖縄には大量の昆布が流通し、庶民が安価で手に入れることができました。そのような訳で昆布は沖縄で人気のある食材になったのです。

本州の人々が、昆布を「だし」を作るのに使用するのに対して、沖縄の人々は、昆布そのものを食べます。そのため、沖縄は日本で最も昆布の消費量が多い県になっています。昆布自体を食べることによって、昆布に含まれる天然の栄養分をすべて摂取することができます。 さらに、沖縄はモズクの消費量が、他県の10倍以上あると言われています。

本州の人々は、モズクは小さな皿に盛られた食材だと思いがちですが、沖縄では味噌汁、または雑炊に用いられます。

海藻は、海水に含まれている大量のミネラルを吸収して育つので、当然、ミネラルを豊富に含んでいます。沖縄の人々は昔から、海藻にはヨウ素、カルシウム、マンガン、鉄、亜鉛、カリウムなどのミネラルやビタミンが豊富に含まれていることを知っていたに違いありません。ある意味、海藻は海の栄養の王様なのです。

植物は、光合成によって成長します。もちろん海藻も、同じく光合成によって成長します。青い藻は、岩や波止場の岸壁に付着し、あおさ等の緑の藻は比較的浅い海で太陽の光を十分に受けて育ちます。昆布やワカメ、モズクのような褐藻は中間の深さの海で、海苔やテングサのような紅藻はそれよりも少し深い所で育ちます。

現代人は偏食しがちで、ビタミンやミネラル等の不足が病気の発症を招きます。昆布、モズクなどの海藻は、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。これが海藻は健康に良いと言われているゆえんです。しかし沖縄の長寿の秘密が、単に海藻の長所を理解するだけで明かされるわけではありません。

その秘密の鍵となるのがフコイダンなのです。